Duncan Malashock『Interiors, Vol. 1』(Beer On The Rug)
ニューヨークのソフトウェアエンジニア兼ミュージシャンの作品。2~3分の人懐っこいシンセポップが4曲入ったEPサイズ。少し懐かしい感じのするキラキラしたシンセの音色と親密なメロディーは相性がいい。リズム的に入り組んだところもなく、どこまでもメロディー中心にアレンジされているため非常に聴きやすい。エレクトリックなサウンドとゆったりとしたテンポはどちらかといえば夜のリラックスした時間にフィットする。個人的にはゲーム『VA-11 Hall-A』のサントラを思い出す。本作が嫌いな人はあまりいないと思います。
AL-90 / Dx2ov『Rare Tpax』(Beer On The Rug)
ロシアのアーティスト二人のスプリット作品で、AL-90の7曲の後にDx2ovによる8曲が続けて収録されている。どこかくぐもった音の響きとアングラな雰囲気を共通要素として、AL-90は硬派な、Dx2ovはフリーキーなテクノを披露。おもしろいのは後者で、サンプリングを用いてBeat Detectives的な雑多な感性を見せつける。展開はラフでエフェクト処理は生々しく、スクエアなリズムを持ちながらも強い生命力を感じさせる。同じジャンルでもここまでテイストが違っていいのか!と聴き手を驚かせる貴重なスプリット。