現時点で最新のリリースは主催者によるレーベル4作目。他レーベルからぽつぽつとリリースはしていたが、BOTRでのリリースは実に6年半ぶり。6曲入りの約15分。ニューエイジと朴訥なテクノの中間のような音楽性。スタイルのシンプルさは今まで通りだが、今作で…
レーベル初?のコンピレーション。比較的最近BOTRからリリースしたアーティストと新規のアーティストが半々ずつの計15曲。曖昧なエレクトロニカ~ニューエイジとブレイクビーツが主体で別段ヴェイパーウェイヴは出てこない。「神龍雀舞」という中華?日本…
Jung DeejayはニューヨークのRandy Ribackのソロプロジェクトらしい。2022年10月現在、既に作品が取り下げられており、自分の検索範囲では作品をフルで聴く手段がなかったのでBOTRのサンクラに上がっている2曲のみを聴いた印象を述べる。滑らかなドローンに…
愛媛出身の多作なプロデューサーによる、ぶっきらぼうなのか潔癖なのか分からないジャケットの作品。7曲約20分の不定形なエレクトロニカ~アンビエント。リズムやメロディーの要素は比較的薄く、シンセの自在な音色の変化で聴かせるスタイル。伸びたり縮んだ…
多くのレーベルを股に掛ける超活動的なJordan ChristoffとMichelle MostacciのデュオのBOTRデビュー。メロディーがほぼないストイックなループを、サウンドを加えたり変調させたりしながら繰り返し続ける催眠的なミニマルテクノ。大枠となるループ自体は変化…
バルセロナのプロデューサーの作品。ウィッチハウスやニューエイジ、グリッチなど多彩な音楽性を窺わせるが、中心となるスタイルはおそらくIDMで、時にはモロにAutechreを思わせる場面も。強迫的な「NIGRA_THM」を除けばそこまでフィジカルに訴える感じもな…
PLAYBOYのラビットヘッドと太極図を組み合わせた奇妙なイラストが目を引く5曲入りの約15分。輪郭のぼやけたエレクトロニクスにクールなボーカルが乗っかるR&B~クラウドラップ。1080p本の読者にはMagic FadesとYoung Braisedの中間と書いて伝わるか。でなけ…
ベルギーのプロデューサーの、この名義では初となるフルレングス。基本となるスタイルはブレイクビーツ~IDMだが、異物感のある奇妙なジャケットのイメージ通りにところどころで謎のサウンドが顔を出す。その代表が1曲目の「Mjolgon」で……なんだろう、猿の鳴…
1989年にリリースされたフランスのバンドの自主製作盤のリイシューらしい(脈絡のなさに驚く)。内容は女性ボーカルのダークなニューウェーブ~ポストパンク。ボーカルのパフォーマンスはクールというか平熱感があるが楽曲のアレンジは充実しておりバンド自…
約一年ぶりの二作目。曲名はすべて「i」という一人称から始まる文で統一されており、音楽性と合わせて抽象的なストーリーを感じさせる。サウンドは変わらずマッシブな質感のエレクトロニカ、あるいはスタジアム向けEDMといった感じ。前作にはなかったインタ…
どこか寂しさを感じさせるドット調のアートワークが印象的。サイバーパンクというタグや曲名などからなんとなくSFな世界観が浮かぶ。内容はゲーム音楽っぽい機能的なシンセポップで、中盤ではモロにチップチューンなスタイルも現れる。#7~#9は特にゲーム音…
ニューヨークのソフトウェアエンジニア兼ミュージシャンの作品。2~3分の人懐っこいシンセポップが4曲入ったEPサイズ。少し懐かしい感じのするキラキラしたシンセの音色と親密なメロディーは相性がいい。リズム的に入り組んだところもなく、どこまでもメロデ…
SEGAのメガドライブ(ジェネシス)に搭載されているFM音源をエミュレートしたビビッドな音色が特徴のエレクトロニカ。サウンドはもちろん楽曲もゲーム音楽に影響を受けた機能的なもので、ゲーム音楽のファンは抗えない音楽だろう。#2「Theia」では(おそらく…
ロシアのアーティスト二人のスプリット作品で、AL-90の7曲の後にDx2ovによる8曲が続けて収録されている。どこかくぐもった音の響きとアングラな雰囲気を共通要素として、AL-90は硬派な、Dx2ovはフリーキーなテクノを披露。おもしろいのは後者で、サンプリン…
mmphによるBOTR055のリミックス盤。『Remix Playground』が一つの曲のみを(複数アーティストで)リミックスしたのに対し、こちらは元EPのすべての曲をリミックスしている。尺も元からあまり変わらず、まさに別バージョンといった塩梅。参加しているメンツ(…
東京ベースの多作な日本人アーティストのBOTRデビュー。風に揺れるカーテンのようなシンセに自然の環境音が大きくフィーチャーされるビートレスなニューエイジ。全編通してスタイルは変わらないのでよくも悪くも金太郎飴的。シンセサウンドの展開の仕方にはS…
カナダのカルガリーを拠点にしていることくらいしか情報がない。おそらくデビュー作となるEPサイズの作品。神経質なダウンテンポ~アンビエントを4曲収録。霞がかったアンビエンスや往年のIDMっぽい音色などから、個人的にはSkee Maskを連想する(偶然かもし…
涼しげなジャケットが印象的なドイツのアーティストの作品。浮遊感のあるコードを軸に展開するアシッドハウスで、4曲20分弱のEPサイズ。アナログシンセサイザーの強みである、自在に変調する電子音を堪能できる。サウンドはもちろんだがコードの印象も4曲で…
静物を写したゴシックなアートワークがどこか不穏な空気を伝えている。地を這うような重低音と聴き手の恐怖を煽る音の演出が光る、架空のホラー映画のサントラのような作品。過剰に劇的な作曲や、ピアノやストリングスの効果的な起用からは映画音楽の素養も…
前作から約11カ月ぶりの二作目で、どちらもギリギリ2016年内にリリースされている。音楽性もほぼ地続きだが、こちらの方が微妙~に内省の色が濃くなっているような。前作を『Music For Airports』とするなら今作は『On Land』で、際どいレベルではあるが公共…
ブルックリンのクィアなアーティストのデビューEP。空間を埋め尽くすマッシブな音遣いが特徴のドリーミーなエレクトロニカ。…というか音像的にはもうシューゲイザーの領域に達しており、言ってしまえば「PC Musicなどのビビッドなサウンドの流行を経た後のUl…
Jayden Ciprianoと、ポートランドのDaniel Faulknerのデュオによる3作目。細切れのサウンドの破壊的なエクスペリメンタルとアンビエントの組み合わせ。中心人物であるFaulknerはグラインドコアという危険で極端な音楽に造詣が深く(現在もHuman Effluenceな…
ウクライナは首都キーウのアーティストの作品。翌年にカナダのヴェイパーウェイヴレーベルLost Anglesからカセットでリイシューされており、そういう意味ではヴェイパーウェイヴなのかもしれないが、世界観はともかく音楽性はずっとわかりやすい。ダークな雰…
Samling-Recordingsからのフルレングスを挟んでBOTRへ二度目の登場。ミュージックコンクレート+ドローンな約30分の1トラック。過去作を見るに、短くまとまった楽曲を作る能力もあるのだが、最終的にはすべてが繋がった、広漠とした長尺トラックとしてまとめ…
DiscogsではPolonius(Seif Gaber)というアーティストと同一人物とされているが(確証なし)……Bandcampページの文章も含めいろいろと謎の作品。神秘的な演出めいた1曲目以降はひたすらエクスペリメンタルなサウンドの不定形なパフォーマンスが続く。内臓の…
ロシアはモスクワのプロデューサーDmitry Nekrotkovのデビュー作。きめ細かくプログラムされたドラムと淀みのないベースがリードする、100%クラブ仕様なテクノ~ハウス。伝わるかわからないが、例えるならPitchforkやTiny Mix TapesではなくResident Advisor…
音楽性が似通っているため2017年の次作も一緒に取り上げる。サンフランシスコのデザイナー・アニメーター・ミュージシャン…多才なアーティストのEmmett Feldman。Graham Kartnaと同じく映像分野でも活躍しており、2021年のデモリール*1によればプロジェクシ…
キューバ系アメリカ人の、この名義での唯一作? #3のみストリングスと簡素なビートが出てくるが、基本はシンセのソロ。別段クラシックなどのルーツは感じない、自由な演奏 が約25分間を埋めている。気ままに空を舞う蝶を追いかけているかのような(実際に聴…
Magic FadesのメンバーであるMike GrabarekとハーピストのJoshua Wardのデュオの1stアルバム。1曲目のWindowsのSEを含む活発なオフィスの環境音(後は最終曲まで出てこない)に注意が向くが、音楽のベースはいたって真っ当なハープ中心のアンサンブル。空間…
1080pからの傑作『Allegra Bin 1』に続く作品。ときおり前作で聴かれたリフやフレーズが再登場するために続きものといったイメージが微妙にある。形式的な構造がほぼない、エクスペリメンタルな、というか支離滅裂なエレクトロニカ。説明的な…という表現もな…