2011

Destroyer『Kaputt』(Merge)

上質なシーツのような滑らかな手触りを持つポップアルバム。都会的で洗練されたアレンジはSteely DanなどのAORを彷彿とさせる。深くリヴァーブがかけられた柔らかな音像は同時代のベッドルームポップと共振するが、ハイファイな録音からきているのだろうか、…

Cass McCombs『Wit's End』(Domino)

スロウコアもかくやというようなゆっくりなテンポが特徴の、メランコリックなバラッド集。サウンドは柔らかく浮遊感があり、あまり現実感がない。アンビエントとしても機能しうるが、日常的に聴くには少し暗すぎる。たまにゾッとするような瞬間があるのだ。…

The Caretaker『An Empty Bliss Beyond This World』(History Always Favours The Winners)

映画『シャイニング』に登場する「The Haunted Ballroom」をコンセプトに始まったプロジェクトは、その名の通りお化けの舞踏会場を想起させる音楽を提供するが、11年発表の今作では比較的穏やかなフィーリングが表出している。「古き良き」暖かみを演出する…

Biosphere『N-plants』(Touch)

日本の原子力発電所をテーマにしたアンビエント作品で、どこか無機質でひんやりとしたムードが特徴。シンプルなポリリズムが印象的な#2「Shika-1」を筆頭に、クラウトロック的なリズムの遊びがそこかしこに仕込まれており、アンビエントだけでなくラウンジ~…

Andy Stott『Passed Me By / We Stay Together』(Modern Love)

ダブテクノの密度を感じる重い低音と大胆なサイドチェインの合わせ技で、地響きのようなサウンドを作り出したエポックメイキングな作品。なにはともあれ「North To South」を大音量で聴いてみてほしい。三田格も書いているが迫力がすごいので精神が弱ってい…