Tame Impala『Currents』(Universal Music)

 オーストラリア出身のバンドによる3rd。中期ビートルズを彷彿とさせるポップなサイケデリック・ロックを、空間を塗りつぶすようなマッシブなサウンドでスケール大きく展開する…という基本路線は変わらないが、今作ではサウンドの中心がギターからシンセに代わり、サイケなElectric Light Orchestraとでも言うべき音楽に。「Yes I’m Changing」「‘Cause I’m A Man」といったミディアム・テンポのバラードに惹かれる。10年代に3枚の作品を残しており、バンドとしてのヘビーなグルーヴを堪能できる1st、よりSSW的なシンセ・ポップに転身した3rdとその中間の2ndがある。どれも良いのでお好きなものを。