蓮沼執太『メロディーズ』(B.J.L.×AWDR/LR2)

 東京出身のマルチメディア・アーティストによる2016年作。環境音・電子音を主体とした作品を作ってきていた(テレビやラジオなどで知らずに彼の音楽に触れている人もいるだろう)が、今作は自身のボーカルとポップスの方法論を取り入れた「歌もの」の作品となっている。前半と後半で多少質感が異なり、前半がアコースティックでからっと、後半がエレクトリックでしっとりという具合。しかし軽やかさ・細かな音の小気味よさは全編で共通しており、アルバムの大きな魅力となっている。個人的にはCorneliusのポジションに最も近い存在と思っている。