坂本慎太郎『幻とのつきあい方』(Zelone Records)

 ゆらゆら帝国解散後にリリースされたバンドのフロントマンのソロ作。『めまい』~『空洞です』のAOR・シティポップ路線をより軽やかに・ミニマルに昇華させたような音楽性で、演奏のテンションの低さ・グルーヴの隙間の多さから、まるで幽霊が演奏しているのではないかと妄想してしまう。この時点ではまだ飄々としている坂本だが、次作以降、急速に作品のメッセージ性を強めていく。