Ryan Adams『Heartbreaker』(Bloodshot)

Whiskeytownというバンドの元フロントマンのソロデビュー作。痛いほどに生々しいオルタナティブ・カントリー。声が掠れるのもいとわない情熱的なボーカルのパフォーマンスが感情の迸りをダイレクトに伝える。アップテンポでロックな楽曲で幕を開けるが、楽曲の多くは哀愁のあふれるフォーク/カントリーであり、それらこそが本作の真骨頂だ。ハイライトの一つである#8「Come Pick Me Up」ではほとんど泣き声のように聴こえるハーモニカが聴き手の涙腺を刺激する。ワイルドかつセンチメンタルな名盤。