Moodymann『Black Mahogani』(Peacefrog)

アメリカのデトロイトを拠点とするプロデューサーの5作目となる本作ではテクノやディープハウス、ジャズの境界を縫うような、壮大で神秘的なサウンドジャーニーが展開される。楽曲の構造やサウンドはかなりアブストラクトであり、明確なフックがないことがポップミュージックとしては弱点だが、それは作品のミステリアスさとトレードオフでもある。特定のジャンルに括ることのできない、ユニークで巨大な作品だ。キャリアの中ではジャズに寄った作品であり、テクノのファンにはこれ以前の作品がオススメ。