Bjørn Torske『Feil Knapp』(Smalltown Supersound)

ノルウェーのアーティストの3rd。ダブ・レゲエの影響を受けた爽やかで瑞々しいハウス。ダブ・レゲエというと重苦しい…まではいかずとも、むさくるしい印象が少なからずあるのだが、本作はそれらの手法を取り入れつつも軽やかであり続けており、そのことが特徴にもなっている。そして軽やかさにも通じる要素として、本作には「なんでもあり」な折衷性と遊び心がある(ゲームの音声を使ったその名もズバリな#2「Spelunker」が象徴的だ)。自然な折衷性とオプティミズムの入り混じった彼のスタンスはPrins ThomasやLindstrøm、10年代で言えばDJ Sotofettまで、ノルウェーの新世代に脈々と受け継がれている。…が、そのような歴史的な視点はさておき、ひとまずこの風通しが良くユーモアにあふれた作品に触れてみよう。思わずもう一度再生したくなるような楽しいサウンドがあなたを待っている。