Fucked Up『The Chemistry Of Common Life』(Matador)

カナダのバンドの2nd。過剰すぎるサウンドが特徴の、衝撃的で熱狂的なハードコア・パンク。ハードコアと聞くと鋭く引き締まったサウンド・演奏を想像するが、今作では速さや攻撃性を残しつつ、シューゲイザーのような分厚いサウンドが追究されている。その方向性の頂点となる#6「No Epiphany」ではMy Bloody Valentineもかくやという宇宙的な轟音を響かせる。楽曲は意外にもキャッチーなフックで満ちており、いくつかの楽曲はアンセミックとも呼べそうなほどだ。エネルギーと創造性に溢れた、共同体のためのロック。