Heartbeat(s)『Home Remedies』(1080p)

(プレスリリース翻訳)

 LOL Boysの片割れ、Markus GarciaのHeartbeat(s)名義でのデビュー作。アバンギャルドなテクノとゲットーなベースが50%ずつ入った『Home Remedies』は、シカゴで過ごした少年時代とDance ManiaやTraxxなどのレーベルから影響を受けている。303のツイストから漏れるデトロイトなフィーリングと、霞がかったシンセの背景に深いサブベース、クリエイティブなドラムシーケンスのタペストリーからなる鮮やかなエレクトロニックノスタルジアが特徴だ。LOL Boysの『Changes』EPでボーカルを務めたAngelina Luceroを再びフィーチャーした『Home Remedies』は、鮮明な質感とヘビーなグルーヴにあふれた領域となっている。


自分自身ダンスミュージックに詳しいわけではないので、まず基本的なところから触れていきたい。ハウスミュージックの、武骨かつ猥雑でよりビートを重視したサブジャンルとしてゲットーハウスがあり、さらにそこにエレクトロ、デトロイトテクノ、マイアミベースの要素を組み合わせたものが本作にタグ付けされた「ゲットーテック」であるらしい。実際、本作のサウンドは浮遊感がありつつも、特にビートの部分に関しては暴力的とも言えるほどにパワフルなもので、1080pのよりベッドルーム感のある作品群に先に触れていた自分としてはそのサウンドはかなり新鮮に映った。完全に汗を流しながら現場で踊り狂うためのサウンドであり、改めてレーベルのカタログを見返してもかなり攻めた……というかやや異色な作品のように思う。