Tings & Savage『Brain Foam』(1080p)

(プレスリリース翻訳)

 メルボルン在住のレトロハウスプロデューサーRoland Tingsと共謀者Nathan Savageによるクラブメイトとウィードにまみれたコラボレーション作品。ベルリンの運河沿いのスクラップ置き場に隣接する古い行政機関の建物を改造した施設にて、11時間×8日間かけて完全に即興で制作された。強いクラブ的なバックボーンを持つクラシックなアンビエントエレクトロニックゾーンのため、温かく薄汚れた質感に集中し、115~130のテンポを意識的に避けたこの作品には、『Milky Way』EPを魅力的にしたTingsの贅沢さが陰ながらにハマっている。2人はアンプのヒスノイズの中に深く流れるようなサウンドを見出した——強いリズムの核を持つ、明るく脈打つシンセサイザー空間は、前夜にクラブで演奏されたトラックの抜け殻が再び太陽と煙で満たされたかのようだ。


霞がかったアンビエンスやアルペジエーターなどのウワモノだけに注目すれば伝統的なアンビエントニューエイジだが、そこに比較的早めのテンポのビートが入ることで、作品は瞑想的な領域からややダンスに近づいた、より曖昧な領域へと踏み出している。ベッドルームでのチルアウトとして聴くには半端だが、代わりにクラブでも使えるような機能性を得たようなイメージか。音楽性としては電子音楽を自由に追求していた頃のクラウトロックとも近く、具体的には初期のClusterなどに似ている。『Milky Way』はTingsが前年に100% Silkから出したEPで、Tingsは後にPrins Thomasも運営に参加するInternasjonalからソロアルバムをリリースするなど精力的に活動を続けている。