Auscultation『Auscultation』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 Joel Shanahanの空を滑るアトモスフェリックシンセの実験は、彼のGolden Donnaプロジェクトの崩壊した豪華さと共に、ここ数年いくつかの異なるフォームを経て変化してきた。ウィスコンシン州マディソンからのメロディーとグルーヴの愛好家の最新作は、1080p初登場の新しいプロジェクト、Auscultationとして、特に夢に満ちた連鎖的領域に到達した。
 新作のホログラフィックでアルペジオ的な旅は、期待に違わず瑞々しく、星空の抽象化と同じくらい多くの内気な地下室/寝室ベースのゾーニングを保持している。Shanahanの宇宙的なセンスとユニークで綿密なシンセシス/サウンドデザインは、鮮やかな色合いのアンビエンスの深く持続的な包囲によって、決定的に勝利を収めていると言える。
 この50分に及ぶハイブリッドなトラックのほぼ全てのレイヤーがメロディックだ;「Ash」のようなトラックでは特に忍耐強く、ゆっくりと大理石模様ののうねりへと発展し、また「Wave Rejection」における前面のコードは特に力強く、感情移入の強い意図を持って振動している。低く重いベースと質感の異なる一連のパーカッションが、迷路のような、また膨張するような感覚を目指してこれらの重層的に鳴り響く7曲を仕上げている。
 Auscultationの動きは、特定のダンスミュージックジャンルの理想の断片に導かれているが、サイケデリックな感覚が圧倒的に優勢だ。ハウス・ミュージックの衰退への見解とドローンやノイズへの情熱を独自に処理することで、イタロと同様にヒプノゴジック・ポップの響きを持つ、霞がかった迷宮のような高みに到達している。


音の傾向は大まかにはこの直前のリリースであるLNRDCROYの作品と似通っているが、こちらはより密室的なアンビエンスを纏っており、やや内省的な作風となっている。音の瑞々しさではLNRDCROYに劣るが、アルバム全体での音色やテンション、ムードの統一感はこちらが上回り、アルバム単位でのトリップに向いている。多作なアーティストで、主にこの名義やGolden Donna名義で数多くのEP・アルバムをリリースしている。