Babe Rainbow『Music For 1 Piano, 2 Pianos & More Pianos』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 LANDRの協力によるスペシャルリマスター版!
 "ポピュラー音楽に対する(Brian Enoの)最大の貢献を選ぶとしたら、ミュージシャンは何をしているのかわからないときに最高の仕事をするという考えだろう。" - Sasha Frere-Jones、Brian Enoについて(『Ambient Genius』7月7日号)
 これはBabe Rainbow(通称Cameron Reed)が心から信じていることだ。彼は、何年か前にBabe Rainbowを始めるまではあまりエレクトロニック・ミュージックを作っておらず、その後すぐにWarpと契約した。それ以前は、バンクーバーで角ばったパンク・ミュージックを作っていた。
 この12曲はそれぞれ、今ではおなじみのReedの明晰なエレクトロニカ・モードで構成されている。ピアノだけの編成に戻すと、Phillip Glass、Erik Satie、Terry Riley、Keith Fullerton Whitman、Nils Frahmからの影響の上に、結晶的で傾いだ瞑想が浮かび上がる。
 2012年にHow To Dress Wellのツアーに参加するまでは、時折ピアノを弾く程度で、本格的に弾いたことはなかった。そして演奏に十分に慣れたとき、彼は作曲を始めた。それは無限の可能性を秘めた新しい挑戦となった。1つの楽器の制限に感謝し、その広大な可能性を持つ電子音楽を制作する経験を並列させる。
 Babe Rainbowのカセットとデジタルによる1080pのデビュー作は、彼の主なエレクトロニック作品と並行して作られた驚くべきものだが、それはまたカジュアルな実験とジャンルの探求のためのスペースとして、レーベルの理念と密接に結びついている。
 「私はピアノ奏者でもなければ、訓練を受けているわけでもない。ただ、探求したいアイデアをたくさん持っている音楽家なんだ。洗練されていない、まさにあるべき姿なんだ。すべてが探求のしがいがある。何も消し去ることはできない。私はそれが好きだ、あなたもそうであってほしい。」


タイトル通りの作品で、特に深いコメントはない。100%純粋なピアノ作品という訳ではなく、加工したサウンドやフィールドレコーディングなども入っている(そもそもデフォルトのトーンにかなりのアンビエンスが入っている)。メロディーもしっかりあり、イージーリスニングとしても機能するくらいに聴きやすい作品だ。全体的な雰囲気はやや寂し気で、時には沈痛なムードも浮かび上がる。Nils Frahmなど、プレスリリースにて挙げられたアーティストなどが好きな人なら楽しめるだろう。「Car Ambient」と題された楽曲が3つあり、タグにも「car music」とあるが、これらがどういうものを示しているのかはわからない。レーベルの音楽性はさらに拡散していく。