OOBE『Digitalisea』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 トリノ在住のプロデューサー、OOBEことYari Malaspinaは、昨年Opal Tapesからリリースされたカセット『SFTCR』に続き、より明確に定義され、ユニークにデジタル化されたアンビエントエレクトロニカへのアプローチを推し進めている。
 スローなレイヴリズムに乗せたメランコリーなエコーにたたずむ『Digitalisea』は、スターゲイトから発掘されたプラネットスケープとガス状の、電子化されたdigi-psychにゆっくりと移行する、重く芝居がかったセットである。OOBEは、アンビエント・テクノと古典的な90年代のユーフォリアの両方の技法を超シンセティックに扱うことで、両者の断片を繊細だがリズミカルなアンビエンスの、彼独自の不定形で濃いぼやけに再編し、加工してピクセル化したHuerco S.と鮮明に歪んだSF版Actressの間のようなものを生み出している。
 『Digitalisea』は、『SFTCR』を特徴づける幽霊的な遠いクラブの響きと同様に、最近のディストロイディアンやポストインターネットの輝きの表面下にあるグリッチを調査している。そのままに真っ暗なのか、太陽に焦がされたのかは定かではないが、閉所恐怖症の支配下で常に至福の時を過ごすことができる。


ヴェイパーウェイヴやポストインターネットといったタームを想起させるジャケットイメージが印象的な作品。例えばDrexciyaTwo Lone Swordsmenのようなダークで深海を思わせるサウンドで、ActressやHuerco S.のような茫漠として焦点の定まらないテクノを作り直したかのような音楽性だ。雰囲気は暗くどんよりとしていて、そういう意味では「曇り空の海」を写したジャケットはピッタリと言える。無機的で不気味な楽曲が並ぶ中で、#4「Deep Space Lover」#8「Digital Sea」というビートレスなトラックではSF的で浮遊感のあるサウンドスケープが描かれる。深海と宇宙はイメージ的にかなり通じるところがあるようだ。