Moon B『Lifeworld』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 Moon Bの最新作で1080pのデビュー作「Lifeworld」では、荒く刻まれた亜大陸の映画の聴覚上のモチーフがその他のゆるみと対になっている。PPUのリリースからしばらく間を置いて、Wes Grayが彼の独特な埃っぽいグルーヴィーなサンプルにフォーカスしたシンセファンクを再配置して戻ってきた。
 Grayはレトロフューチャリズムという彼特有のスイートスポットを目指しており、『Lifeworld」における古代から現代のGファンクの間の移行は、非常にリッチで映画的なムードと難解さよりも温かみと誠実さに浸るための一般的なコツが役に立っている。
 Delroy Edwardの"Slowed Down Funk"テープシリーズにインスパイアされ、ミックステープというフォーマットを使い、フリーキーで重厚なおまけのシンセのオーバーレイ、部分的に汚れているがベルベットのような質感、メンフィスのビールストリートを歩いているかと思うと次の瞬間にはチェンナイで蒸気機関車に乗っているかのような多くのムードが溢れている。
 『Lifeworld』にはGamesのスローテンポでスクリューの効いたサンプルのような雰囲気が残っている。もしそうなら、彼のオリジナルグルーヴと同じようなシロップのような意味合いと共に、アナログシンセのオーバーレイのただ中に南アジアの映画のクリップをループさせる(前回のミックステープ作品『Any Questions』と同様、より質感とヴァイブの異なるソースにエッジを加えている。
 2014年10月、ロサンゼルスにてMoon Bがコンセプトとトラックメイキングを担当。"Stuff a stocking wid it!"(ストッキングに詰め込んでね)。


レーベルでは珍しい、A面B面に15分弱のマテリアルを詰め込んだ(曲分割されていない)ミックステープ形式の作品。ローファイでユルいシンセファンクにエキゾチックなサンプルをまぶした音楽性で、まるで夜にアジア諸国の街角を散歩している……映像を画面越しに眺めているかのような雰囲気がある。正直に言えばかなりうさん臭い空気で、そういう意味ではヴェイパーウェイヴにも通じる部分がある。しかしこの良い意味でのユルさが夜のリラックスした時間にフィットするのだ。同年にPeoples Potential Unlimitedというレーベルからも作品を出しているが、そちらではより演奏にフォーカスしている。