Seth『This Is True (Sunseth​)』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 SETHは、2012年にNYCのJames KがGobbyと始めたプロジェクト。SETHは気まぐれだ。SETHは半分自意識過剰で、2倍悪魔的。SETHは異次元で活動し、全く必要ないときに不安定なロープの橋をいくつもかけてくる。価値あるもののために時間を目一杯使い、息つく暇もないほどだ。
 カセットでリリースされた彼らのセカンドアルバムでは、今回は1080p経由で、SETHは自分たちが置かれたかなり厄介な場所からの出口を探っている。闇と光の要素を用いて、SETHは新たなシェルターを探し求めているー緑豊かで揮発性があり、有望だが現実味がない。その結果生まれたミニアルバム『This is True (Sunseth)』は、James Kのキラキラした心が生み出したものである。デュオのトリックと変態性が実際のサウンドを形作り、その時々の彼らの意味深い関係や互いへの感情を反映させた。
 テープはカートリッジで、マシンに挿入するとSETHのエキゾチックな領域を解き放ち、灰にまみれた夜へと燃え尽きる。ポーイング、揮発性ポーイング。


Gobbyの作品だけを聴いて今作に触れると、その神秘的でヒロイックな出来栄えに驚いてしまう。James Kのボーカルは、例えばJulianna BarwickやJulia Holterのような高くよく通るもので、妖精のような幻想的な空気を醸している。今作はポップス……とまではいかないが、究極的には歌ものだ。幽玄なミックスにより言葉ははっきりとは取れないが、そのエモーションは遠い異国の聴き手にもしっかりと伝わるだろう。トラックもボーカルと互いに引き立てあい、高めあっている。荘厳なエクスペリメンタル・ポップの傑作だ。