Umfang『OK』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 NYのプロデューサーでDiscwoman所属のEmma OlsonことUMFANGによるアモルファスでポリリズミックなテクノパレット。ラテンドラムパターン、DJブレイク、ミニマル・パーカッションに影響を受けている。彼女の2枚目のリリースとなる『Ok』は、リズミカルな「eureka」モーメントとシンプルなメロディーとテクスチャーの微妙な組み合わせの一定のサイクルの中で、実験的で熱狂的であり、テクノを誰もが親しみやすく、堅苦しくない音楽にすることを目指している。
 この48分の作品では、これまでのMPCやVolcaのビートから、BOSS Dr. 202(Octo Octa製)を手に入れ、『Ok』のバックボーンを形成した。ここに間隔を置いて配置された様々なサンプルが周回している。アウトロ、イントロ、ボーカル、古いトランスレコードからループさせたスペイシーなシンセサウンドが、バチャータやクンビアに影響を受けたルーズでライブ感のあるリズムと噛み合い、独特の暖かみのある空間を作り出している。
 Olsonはこのリリースを本質的にDJツールのアルバムだと考えており、反復、メカニックなグルーヴ、ストレートでSF的なサウンドのパレットを駆使し、プロダクションにこだわることなく、とことんこだわった作品に仕上げている。その結果、ヘビーなクラブサウンドは超ライブで、超怪しく、そして内省的なダンスフロアに引き込まれる。


Discwomanの共同設立者として今や世界的な知名度を誇る彼女だが、その音楽性はかなり原始的でストイックだ。ジャケットのように空白部分のかなりある、文字通りミニマルな作風。A面にあたる部分では自身のボイスサンプルを用いて展開を形作っており、そういう意味では少し前のSurfingのリリースと通じるところがある。ハイライトのひとつは#5「shockshock」で、あえてズレさせたリズムトラックに狂ったようにサンプルが重ねられる。エクスペリメンタルでひどく印象に残る曲だ。続く#6「quickly and softly」では逆に柔らかなテクスチャーが追究されており、珍しく優し気なフィーリングが漂っている。