Body-san『Shining The Money Ball』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 カンザスシティのBody-sanことBrandon Knockeによるエレクトロニックグルーヴといかしたコードのスムーズで良い空気のマリアージュは、100% Silkからのリリースに続き、人の声や会話、風景に彩られた10曲を収録している。
 『Shining The Money Ball』は、洗練されたシンセティックな自然主義(これらのシンセには水と動物のヴァイブがたくさんある)で、ジャズファンク、1970年代以降のライブラリーミュージックからインスピレーションを得ており、また、曖昧で特定できないが「完全犯罪」的な映画のようなナラティブも作り出している。
 過去には、DiscovererとしてDigitalis(RIP)やVCO Recordingsといった実験的なレーベルからリリースするなど、様々な名義で幅広いエレクトロニック・ミュージックを発表してきましたが、それらは全てModern Hug productionsという包括的な制作名でファイルされている。


デジタルながら暖かい音色のIDM~ハウス。かっちりとした展開があり、また常にメロディアスなために大変聴きやすい。インタールードを適度に挟んだアルバムの構成からもある程度のリスニング志向が窺える。特にインタールード楽曲で顕著だが、物音や人の音声のサンプリングも特徴で、その点も含めてKhotinとは音楽性でかなり通じるところがある。個人的にはレーベルでも屈指の作曲能力の持ち主だと思っているが、今作がLNRDCROYやKhotinほどのヒットにならなかった原因は「(彼らほどの)印象的な音色を作れなかった」ことにあるのではないか。いや今作の音も十分気持ちいいのだが、あの二作は一線超えたレベルで輝いていたと思う。「曲」は時間に依存した形式なので良さが伝わるまでにどうしても時間がかかるのだ。