Complete Walkthru『Complete Walkthru』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 Max McFerrenは2014年の『Club Amniotics』から始まったMCFERRDOG三部作の完成を回避し、代わりに初期のテクノのパイオニアストーリーテリングと喜劇的ライフスタイルの考察に大きく触発されて分岐した道を歩み、再びカセット形式で1080pに帰還した。
 『Complete Walkthru』は、マクファーレンの過去の作品を導いていた直感的なモチベーションから一転している。この作品では、より親密なエレクトロニックの領域に、より自己を反映したムードを見出すことができる。ブレイクに彩られたハウス、ディープでウォンキーなテクノ旅行、明るいメロディーのループ、そして超怪しく高揚感のあるボーカルが、この2面の9トラックを構成している。
 ストーリーテリングとコメディーへの考察によって規定されたサウンドへの予備調査に焦点を当て、精神は特にMaxがもたらす爽快なタッチで聴くことができる。この二流のプロローグは、ジャコ・パストリアスの悲劇を、私たちのために誰かがゲームをしているのを見るかのように見せてくれる。ただの「よいしょ」の「よい」だ。


Max McFerrenの新たな名義でのセルフタイトル作。テイストの統一よりも新たな音楽性の追究を優先し、既存のセルフイメージからの脱却・刷新を行っている。#2「Blatant Doug」でのAphexライクな牧歌的なサウンドや#7「Performative Grief」での荘厳でシリアスなストリングスなど、随所で興味深い音が現れる。とはいえ元来のユーモラスな気質は健在で、その軽いフットワークでさまざまな音楽性を飛び越えていくところが一番の魅力だろう。ジャケットどおりのどこかおかしくてカラフルな作品だ。