Stereolab『Sound-Dust』(Duophonic)

イギリスとフランスを出自に持つバンドの7作目。故Mary Hansenの参加した最後のアルバムはクラウトロックの「反復の美学」を胸に抱いたループ主体のスタイルから離れ、より歌やメロディーにフォーカスした内容になった。ループのくびきから解放された楽曲は滑らかさはそのままに、自由に・気ままに展開していく(結果、組曲のようになった曲がいくつかある)。John McEntireとJim O'Rourkeのプロデュースも冴えわたった本作は、バンドのポップス路線における最高傑作だろう。「Nothing To Do With Me」は珠玉の出来。