Vampire Weekend『Vampire Weekend』(XL)

ニューヨークのバンドのデビュー作。アフロポップとチェンバーポップの明るく楽しいハイブリッド。華やかな管弦にキュートな音色のシンセを組み合わせたサウンドは軽やかでファニー。バンドの演奏は小気味よく、フィジカルな快感にあふれている。楽曲からはクラシック音楽の素養とワールドミュージックへの憧れ、インディーロックへの愛情が同時に感じられるが、そのような音楽は世界中を見渡しても稀だろう。Paul Simonの『Graceland』が引き合いに出されるのも頷ける、折衷的でとにかく楽しい作品だ。