Karmelloz『Source Localization』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 オレゴン州ユージーンのプロデューサーKarmellozは、1080pからのデビュー作『Source Localization』で、コンピューターで生成されたエレクトロニカのまた別の不定形の世界へと足を踏み入れた。インストゥルメンタルヒップホップ、アンビエントテクノ、フットワークなどのジャンルを緩やかに巡りながら、基本的には深夜に光るスクリーンの向こうの煙に隠れつつ、Karmellozは濃厚でハイブリッドな質感の靄の奥へと進み、脳と同じように有機物のレンダリングに関心を向けているのである。
 脳波パターン、私たちの脳が発する電気的な波、そして脳のシンクロニシティは、KarmellozのハードウェアとMaxMSPで作成された作品の抽象的な触媒となっている。現在、オレゴン大学で神経科学を中心に心理学を学んでいる彼は、遺伝学を取り巻くアイデアと遺伝子プログラミング/組み換えの可能性を、音楽的センスで歴史の遺伝物質を再プログラムする準備という観点から常に探している。


特定のスタイルに嵌まらない、アブストラクトな電子音楽。楽曲も文字通り不定形で、いまいちどういう音楽か説明しづらい。基本的にはメロディードリブンではなく、サンプルを小気味よく配置していくスタイルのようで、楽曲構造の不明瞭はそのスタイルに由来しているようだ。代わりに楽曲展開における反射神経のようなものは優れていて、カラフルなサンプルが乱れ飛ぶのを追っているだけでも楽しい。音選びやその配置には優れたセンスがあり、サウンド全体としては一流のアーティストにも劣らないカッコよさがある。