Beat Detectives『Ass Cop』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 ミネアポリスの3人組、Beat Detectivesは、100% Silk、Night People、Moon Glyphといったレーベルからリリースされた数本のテープを通じて捩じれていった。その結果、"疑わしい内容"という理由で一旦は閉鎖されたものの、1080pの名簿にこぎ着けた彼らの最新パーティーテープは、ルーズで幻惑的なハウスとヘビーなバブルガムビートで、いつも以上にアマチュアの大言壮語を強調している。
 『ASSCOP』の軽快な反抗は(彼らの以前のカセットテープのように)、散らかったPCのデスクトップの、不要なWinampのPLSファイルから転送されてきたものである。本格的なFMラジオのチャンネル解析とデジタルラジオ番組を激しく分断し、ロック番組の汚れた小片とヴォーカルインタールード(「Youtube!」)の間に重苦しいハウストラックを刻み込み、下品なブートレッグビートと吹き替え音声テクノに対抗している。
 彼らのリズムには常に"午前3時の地下室ハウスパーティー"のヴァイブ(文字通り"パンクロッカーの地下室での汚れたレイヴ"から生まれた)が染み付いているが、『ASSCOP』はまるで、あらゆるジャンル・スタイル・ロケーションからの人工物を引っ張り出して、物事の解体についての探求をするリスナーと並んで闊歩する舗道のために作られたかのようだ。「Summer in the City」は超ヘビーかつ極めてファンキーで、70~80年代のディスコやプロト・ハウスのほこりまみれの華やかさを、断続的なハンドクラップとセックス・ポジティブなベース・グルーヴで表現している。「Fresh Out The Pack」は、押し潰すような低音のシンセで弾むように推進し、「Oh That Felix」は、最も充実した現代のダンスミュージックのモードでテープを開く。
 Beat Detectivesは、ミネアポリスとニューヨークを行き来しながら、Aaron Anderson、Oakley Tapola、Chris Hontos(DreamweaponとFood Pyramidとしても知られる)の間でトラックとアイデアを交換し、その制作モデルは、ポスト-バンド、ファンクのポストアイロニックなぼやけと絶え間ないリズムの中で「ASSCOP」が存在できるように、多彩に変化してきた。


本作は非常に雰囲気のある演奏で幕を開けるが——ジャケットやアルバムタイトルから察せられるだろう。まったく綺麗な作品ではない。例えばBeckのサンプリング路線の作品のような、海賊的でジャンクな味わいの作品だ。すべての素材がサンプリングなのかというとそうでもなく、Dean Bluntのようなアマチュアリズムに溢れた演奏もかなりの割合を占めている。かなり混沌とした内容だが、タグやプレスリリースで匂わされているように、酔っ払いたちのパーティーのような空気は全編に共通している。汚いし臭いしなにが起きてるのかよくわからないが、楽しいのだ。ただ一点、素面の人には聞かせないように。