Dan Bodan『Soft』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 「自分が知っていることを書くけれども、それは他人には面白いものでなければならない。だから、本当に素晴らしい作品にしたい。実話小説か、お姉さんの日記を読むような。」- Dan Bodan
 Dan Bodanのニューアルバム『Soft』は、ミレニアル世代の恋愛問題、サウンドクラウドのコラージュ、ポスト帝国時代のパラノイアを通り抜ける、バラの香りのするジャーニーだ。Physical TherapyとVille Haimala (Renaissance Man)との共同制作で、M.E.S.H., 18+, Great Skin, Latisha Faulkner, Dena Yago, Stadiumをフィーチャーしている。
 ベルリンを拠点とするソングライター、Dan Bodanは、カナダの広大な草原で生まれ、モントリオールで育った。モントリオールアンダーグラウンドなノイズや実験音楽のシーンで育ったBodanは、8年前にベルリンに移住した。崩れかけた旧世界のヨーロッパの価値観、新興企業の慈善活動、眠れないテクノ、壮大な灰色の空など、この街独特の混合物の中で開花した彼は、街を走る列車のサウンドトラックとして、またそれらすべてを理解するために曲を書き始めた。
 世界的なプロデューサー、詩人、アーティストのチームと協力し、指とマウスパッド、ベッドルームとクラブ、地球とエーテルの間にある空間に心地よくフィットする曲を書いている。 「彼はビートの上に甘い守護天使のように吹き込み、暗いナイトクラブに差し込む日光のように感じるほど軽やかなトラックを作る」- The Fader 「真の主役は彼の声であり、それはそれぞれのラインを通して上下するように震え、力強く、しかし少し壊れやすい」- Resident Advisor 


柔らかく親密なR&B。RAも指摘している通り、本作の一番の肝はBodanのシルクのような柔らかさを持つボーカルだ。とはいえトラックのレベルが低いということもなく、全体としてメジャーレーベルからのリリースにも全く劣らないクオリティの作品である。時代的にも音楽性的にも近いのはHow To Dress Wellで、そこからゴーストリーな音響や雰囲気を薄めて、人肌近くまで温めたかのような音楽だ。これはかなり実感を伴っているのですが、普段インストの作品を中心にリリースしている中で、ここまでボーカルにフォーカスした作品がポッと投げ込まれるとそれだけでかなり印象に残ってしまいます。DFA関係ゆえなのかもしれないが、M.E.S.H.や18+、後にAmnesia Scannerとしても活躍するVille Haimalahaなど、1080pからのリリースはないが界隈で人気なアーティストが集っており、そういう意味でも象徴的なリリースと言えるかもしれない。