Angel 1『Allegra Bin 1』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 ロサンゼルスを拠点とするプロデューサーAngel 1の最新のユニークな可塑性の爆発は、クラシックなアンビエントエレクトロニカと広々としたフューチャー・クラブの理想との中間点を探求している。1080pからのデビュー作『Allegra Bin 1』は一歩外に出ている;様々なレベルのコミュニケーションやドラマがある街中を移動しながら起こる一定の展開、いつ当たるかわからないメッセージや記号の解釈、そしてその過程で非常にバズること。
 Angel 1は、インターネットを通じた文化的な露出と、ロサンゼルスを歩き回った他の経験とのバランスを取りながら作曲をする。このトランジションとハイパーなジャンルシフトは、楽園のようなシンセサイザーの開花、鮮やかな一面の草原描画、ショッピングネットワークの静寂なヴァイブという形で表現され、広々として滑らかなクラブの断片が浸透し、突然ソウルなドラムとベースのロールアウトで中断される。
 結果として、半ば色あせたシンセティック/デジタル・サイケデリアが徐々に、しかし狂おしいほど大胆に姿を現し、豊かに囀るシンセの質感は、00年代初期のIDMや、インターネットやクラブで行われた最近の先鋭的なジャンル実験を思わせる。Angel 1は、ガラス質のクラブミュージックとでっち上げられたデジタル有機体をより催眠的な領域に位置づけ、ベースミュージックとドリルのリズムを7曲にわたって分解し、ロサンゼルスらしい夜の導きと至福の黒点地帯の簡潔で快活なEPに仕上げている。 「2008」は、トランスとテクノの幽霊的な思い出の鮮明な回顧と、ヒグラシの大音声の壁の間を文字通り漂うような、完璧な仮説だ。「One Wish - Shah」は、ジャングルのリズムと浮遊するヴェイパーウェイヴのサウンドが交差するあからさまなもの。「Shrubb」のうつむいた熱帯のイメージはBoy Snacks名義での前作を彷彿とさせる。
 ソフトで示唆に富む『Allegra Bin 1』は、ストリートと自宅のコンピューターから、あらゆる地域の感情情報を拾い上げている。


この作品に関しては個人的に思い入れがあり、ブログにてかなりの文字数を割いて語っているのでぜひそちらを参照してほしい(https://muimix.hatenablog.com/entry/20180522/1526978085)。端的に言えばソングライティングを相当突き詰めた作品であるということ。ループをどこまで繰り返すか、あるいは繰り返さないか、主題をどこでどのように提示するか、またその再現は、というようなことが考え抜かれた作品だ。アブストラクトな楽曲もあるが、精緻に組まれた楽曲の出来はすさまじいものがある。本作のサウンドをより刺激的なサンプルに置き換えるとGiant Claw『Dark Web』のようになるのだろう。