Neu Balance『Rubber Sole』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 バンクーバーのスタジオヘッド、Neu Balanceは、太平洋岸北西部の空気を深く吸い込み、合成的で遊び心のある、ねじれたホリスティックなハイブリッドハウスとアンビエントエレクトロニカのデビュー作を吐き出す。
 『Rubber Sole』は、退屈ありながら瑞々しいミニマリズムから、彼らのライブでも見られるような飛び抜けたマキシマリズムへと移行していく。またこの曲は、ある種の黙示録的な、あからさまにフィルターにかけられ、加工され、全体的に重いシンセのレイヤーと部分的に解体されたビートから、明るい自然主義/牧歌趣味へとぼやけていく。
 彼らの名前は、バランス、二元性、クッションといった概念を揶揄したようなものだが、『Rubber Sole』は、超鮮明なデジタルアンビエンスの様式化された洗浄と対立する、過剰にカスタマイズされた記号を駆使して製作、組み立てられたアクセス可能なハウスを通して、バランスの閾値を誠実に探求しているのだ。
 「Guu Yuu」のようなダイレクトでダンスフロア向けのトラックから、「trsx moon」のようなヘッドフォン向けのトラックまで、音色の二面性はあるが、総じてソフトでクッション性のあるタッチが全編に渡って流れている。また、より緩やかな「Get Up」では、これらの相反する要素が集約され、95bpmの揺れを伴うこのカセットの最も奇妙な瞬間の1つとなった。
 Plays:fourのSam BeatchとSebastian Davidsonの2人によるこのアルバムでは、微妙なフィールドレコーディング、ピッチダウン(またはアップ)したボーカル、実体のないギアのブリープ、長くは続かない夢幻的なキーボードメロディなど、呪術的な理想に基づいたいくつかの修正を経て、クリーンで複雑なサイケデリアにつながる相互演奏を行っており、探索的で不気味な作品も多く見られる。


某運動靴メーカーを彷彿とさせる名前が印象的なユニットのデビュー作。細やかで瑞々しいサウンドグリッチエレクトロニカ~ハウス。作品を特徴づけているのは何よりも純粋な音色の探求で、その軽やかでころころとした音色からはMouse On MarsやNuno Canavarroといったアーティストが浮かぶ。というか後者(『Plux Quba』)にダンス向きの曲構造を組み込んだような作品だ。楽曲にはややアブストラクトなところもあるが、そういう点も含めてまさに「音で遊んでいる」感じがあり、好感が持てる。綺麗な音色の輝きに触れたい人におすすめな、個人的にも「推し」の作品。