Friendly Chemist『Touch Of Jupiter』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 バンクーバーのアフターアワーズクラブシーンで最近注目されているFriendly Chemist aka Jean Brazeauによる、生々しく魅惑的で重厚なメロディックハードウェアダンス。彼のデビュー作『Touch of Jupiter』は、パシフィック・ノースウエストから直送され、90年代中後期のハウスとガレージのクラシックな要素を、天空的で暖かく感傷的にしたものに滲ませている。
 Touch of Jupiterの遠く夢のような人工性は、ジャッキでエネルギッシュなクラブへの暖かいノスタルジアを、独特な自家製テクスチャーとヒプノグラフィックな地形にリンクさせ、呼吸するパッド、猛烈なアシッドベースライン、大量のクラップ、しゃがれ声のMS-20ベースラインとDX7ビブラフォンのメロディに満ちた彼のライブハードウェアセットの高いエネルギーとつながっている。
 クラシックピアノの訓練を受けており、古代の、しかし未来的なイメージの幻覚的なセット、すなわち、沼地、王国、新しい惑星、ミスト、タロットカード....そして、一般的に曖昧な神秘主義の雰囲気の意味合いであるBrazeauは、ジャズフュージョンサックスのような幅広いミディサウンドによって運ばれる調和構造に重点を置く。「Visions From Yesterday (Saxy Mix)」や、「Trying 2 Find U」のキーボードソロは、「Queen of Swords」のファンタジーなリードに比べ比較的繊細で、ジャンプして太くて歪んだ音になっている。


まるで90年代に戻ったかのような、伝統的なスタイルのディープハウス。一つ一つの音色が時代を思い起こさせるもので、ジャンルに馴染んだ聴き手ならなんの抵抗もなく楽しむことができるだろう。浮遊感のあるコードに蜃気楼のように揺らめくウワモノ。「Mist/Haze」というまんまな名前の楽曲で幕を下ろすアルバムは、木星がガスを主成分としていることを示唆しているのだろうか。ジャンル的にヴァイナルでのリリースが似合う作品であり、Discogsのページではリイシューを望むコメントが散見される。