Junior Loves, Scientific Dreamz Of U『The Dreamcode』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 気心の知れたJunior LovesとScientific Dreamz of Uが、情熱と優しさ、そして2つのマインドの穏やかな合流によって構成されたビジョンとエネルギーの祖先の記憶「kestrel sound」への神聖なる通路を提供する。
 このスプリットカセットとデジタルリリースは、航海的で暗く宇宙的な臨場感、エレクトロ、テクノのハイブリッドという、より広いコンセプトを共有するNTSショー「kestrel explorations」をホストしている。彼らのこの非常に特殊なセーガン的エレクトロニカの領域への取り組みは、ある種の古代性と神秘主義を振り返ることに加えて、忍耐と旅情に対する狂気の耳を持ち前進もしている。
 このテープは、その優雅さと落ち着きにおいて無限であるチョウゲンボウの壮大な飛行の個人的な解釈を表している。この2つのスピリット・ガイドは、それぞれ異なる道へと導いてくれるが、目的地を共有することで一体となり、それぞれが魂に栄養を与えてくれる。
 Scientific Dreamz of Uが宇宙の奥深くへと向かって、アストラルな、そして時にはインダストリアルなテクノのメカニックを伴ってスパイラルする前に、Junior Loves は、30分にわたるギター主体のゾーン、ねじれた白昼夢と宇宙時代の瞑想、トリップホップを経てダークテクノへの移動から、『The Dreamcode』を始める。
 『The Dreamcode』は、リスナーがリラックスしたアルファ波的な精神状態で聴き、この旅で私たちと共に成長するよう、眼前にある儀式のオブジェクトに(あるいは、ローカルロジックシステム内の低エントロピー磁気状態として)結晶化するよう呼びかけている。


電子音ばかり聴いてきたのでギターの音色が聴こえてきた瞬間に(新鮮!)と感じてしまった(ギターっぽい音色が出てくるのはInfiniti『 M30』以来だろうか)。基本的な音楽性はやや抽象的な、ダークで攻撃的なテクノで、1曲目の不穏な雰囲気がそのまま全編を覆っている。だが冒頭のギターで示されたとおり、時にはバンドサウンド、また時にはインダストリアルと、なかなか多彩な音楽性を備えている。はじめの3曲はおそらくアルバムの導入部で、ゆっくりと聴き手を不安な空気で包み込んでいく。お経のような呪術的なボーカルがいい感じに不気味だ。アルバムはそこから暗く荒涼とした世界観とスピリチュアルな世界観とを行き来し始める。共通するのは過剰にシリアスなトーンで、聴いていると自分がまるでディストピアの住人になったかのような気がしてくる。最後はまたニューウェーブ調のバンドサウンドで締めるのだが、作品の最初と最後に人間味のあるサウンドを配置していることにはある種の美学の存在を感じる。独自の世界観が細部まで作り込まれたコンセプトアルバムで、レーベルでも屈指の力作だ。