Beta Librae『Swope Park』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 カンザス出身のプロデューサーBeta Librae(別名 Bailey Hoffman)は、ヘッドフォンでニューラルレースを装着し、アシッドとダブテイストのテクノの深く生命力のある静止状態にゾーニングするデビュー作『Swope Park』を発表した。
 この9曲のローキークラッシャーは、アクアティックなテクスチャーとルーズでフリーフォームなシーケンスでループし、おなじみのアシッドパラダイムと幅広い熱狂的な感覚の間に特定のエネルギーを見出すことができる。Slavaのパフォーマンスがミニマルなセットアップの最初のインスピレーションとなり、Hoffmanはトロピカル/エレクトロニックバンドLemonadeのアパートの部屋を間借りして毎日彼らの練習を聞いているうちに、さらに想像力をかき立てられた。
 Hoffmanの実験は流動的で循環的であり、Korg Electribeを使った新しい実験の直接的な結果として生まれたものである。サンプラーの空きスロットの無限の可能性は、それを自分の脳の延長として捉え、どんな音でも搭載することができ、もちろん非常に人間的な手つきでそのすべてを操作するという、古典的なサイボーグの理想像で扱われている。


シンプルでアシッディーなテクノ。そのシンプルさから上述のLNS『Maligne Range』を連想したりもする。本作もおそらくは限られた機材で制作されており、それゆえに音色面で統一感がある。正直、まだ音や曲に個性が現れるような段階ではないと思われるが、1080pには貪欲に新たな才能を発掘するという側面があり、その一環として捉えるとこのようなリリースにも好感が持てる。「完成させること」がなにより難しい創作の世界で、初手でこのような規模の作品をものにすることがいかにすごいことか。その地位を確立した後にもジャンルを「耕す」リリースを続けるレーベルの姿勢も良い。