Tim Hecker『Haunt Me, Haunt Me Do It Again』(Substractif)

バンクーバー出身のアーティストの本名名義での1st。重厚なドローンを主体にグリッチの要素を取り入れたアンビエント。Stars of the LidとFenneszの同年作の中間のようなサウンドで、革新的なところはないのだが非常に完成度が高い。楽曲を掴みやすくするため各曲は複数のパートに分けて収録されている。アルバムのムードはシリアスに始まり、中盤以降はノスタルジック~ロマンチックに変遷していく。アルバム終盤、「Boreal Kiss」「Night Flight to Your Heart」にて控えめに鳴らされるドラムのポジティブな響きが印象的だ。