Sleater-Kinney『The Woods』(Sub Pop)

アメリカのバンドのレーベル移籍後初となる7作目。パワフルで獰猛なロック。プロデューサーにDave Fridmannを迎えて作られたサウンドは過去最高に重く分厚く、もはやメタルやシューゲイザーの領域に達している。コブシを効かせて歌い上げるボーカルには今にも噛みつかれそうな迫力がある。Led Zeppelinをも彷彿とさせる強力なサウンドで、アルバム終盤、10分を超えるフリークアウト「Let's Call It Love」を聴き通し、不穏ながら美しい終曲「Night Light」に辿り着いたころにはまるで台風が過ぎ去った後のような心地になっている。