Bonnie “Prince” Billy『The Letting Go』(Drag City)

アメリカのSSWの、この名義における7作目(カバー作等含む)。Björkとの仕事で高名なValgeir Sigurðssonによってアイスランドで録音された本作は慎み深く、どこか敬虔な響きを持っている。ベースは素朴なフォークだが、Faun FablesのDawn McCarthyによるコーラスのアレンジとNico Muhlyのストリングスアレンジが作品を美しく神秘的なものにしている。#9「The Seedling」を境にアルバムはより穏やかに・抽象的になっていき、最後の無題のトラックにて、アルバムタイトルが示唆した通り、音楽は彼の手を離れていく。