2016

Body-san『Shining The Money Ball』(1080p)

(プレスリリース翻訳) カンザスシティのBody-sanことBrandon Knockeによるエレクトロニックグルーヴといかしたコードのスムーズで良い空気のマリアージュは、100% Silkからのリリースに続き、人の声や会話、風景に彩られた10曲を収録している。 『Shining …

Betonkust & Palmbomen II『Center Parcs EP』(1080p)

(プレスリリース翻訳) オランダのプロデューサーBetonkustとPalmbomen IIによる夢見るエレクトロとクランチーなIDMの新しいコラボレーションは、オランダのCenter Parcs De Eemhofというホリデーパークにて、ある雨の週末にレコーディングされた。バンガロ…

LNS 『Maligne Range』(1080p)

バンクーバーのLaura Sparrowによるデビュー作。シンプルな編成のクラシックなIDM。サンプリングなど飛び道具的なサウンドは無く、純粋に楽曲で勝負している。楽曲も音も基本に忠実な印象で、ともすれば(普通!)と切って捨てられてしまいそうだが、そうな…

蓮沼執太『メロディーズ』(B.J.L.×AWDR/LR2)

東京出身のマルチメディア・アーティストによる2016年作。環境音・電子音を主体とした作品を作ってきていた(テレビやラジオなどで知らずに彼の音楽に触れている人もいるだろう)が、今作は自身のボーカルとポップスの方法論を取り入れた「歌もの」の作品と…

吉田省念『黄金の館』(P-Vine)

京都出身のミュージシャン/SSWによる、ロックバンド「くるり」脱退後のソロ・アルバム。凛とした佇まいのギター・ロック。オープニングを飾るインスト・ナンバー「黄金の館」を聴けばギター・サウンドへのこだわりは伝わるだろう。しかしながら本作の中心に…

Will Long『Long Trax』(Comatonse Recordings)

Celerという名義でも活動しているアメリカ出身、東京在住のアーティストによる初の本名名義のアルバム。柔らかで洗練された瞑想的なディープ・ハウス。一番の特徴は(Stars Of The Lidを彷彿とさせる)メロディーの1ループの異様な長さで、聴き手がメロディ…

Various『Chromophore』(Slow Life)

ベルリン拠点のレーベルの初のコンピレーション。そのサウンドに時代の先を往くような先鋭的なところはないが、代わりにレコード・ディグで培われた(クルーのほとんどが名の知れたディガーらしい)センスが作品にタイムレスな魅力を付与している。(現在は…

Steve Mason『Meet The Humans』(Double Six)

The Beta Bandの元フロントマンであるイギリス出身のアーティストの3rd。リバーブのかけられた空間的な音遣いが特徴的なユーフォリックなロック。聴き手を包み込むような音響はRadiohead「Subterranean Homesick Alien」などを思わせる。こういう柔らかさと…

Steve Gunn『Eyes On The Lines』(Matador)

ブルックリンを拠点として活動するミュージシャン/SSWの2016年作。ギターのリフで楽曲をドライブさせるギター・ロック。それぞれのフレーズにはギターという楽器の構造・特性が色濃く出ており、ギター・ロックというよりはギター・ミュージックと呼んだ方が…

Solange『A Seat at the Table』(Columbia)

アメリカのSSWによる8年ぶり3rd。内省的なアンビエントR&B。広く空間・音のすき間を意識して作られたサウンドは洗練されており、最低限の音でファンクネスやアンビエンスが表現されている。アルバムはインタールードを挟みつつ滑らかに流れていく。「F.U.B.…

Shy Layers『Shy Layers』(Growing Bin)

ブルックリン~アトランタで活動するJD Walshによるソロ・ユニットのデビュー作。2015~16年にリリースされた2枚のEP(投げ銭制で公開されている)をまとめ、さらに「SEG」という新曲を加えた内容。トロピカルなフィーリングを湛えたシンセ・ポップ。Mark Ba…

Segue『Over The Mountains』(Silent Season)

バンクーバーのプロデューサーJordan Sauerによる2016年作。メロディアスなアンビエント~ダブ・テクノ。ふわふわのシンセとダブ由来の遠く響く音響が組み合わされたサウンドは大きなスケールを感じさせる。ゆっくりとしたテンポで地味ながら確実に変化を続…

Salami Rose Joe Louis『son of a sauce!』(Hot Record Société)

カリフォルニア出身のSSWのデビュー作。日に焼けて褪せてしまったかのようなマジカルな音色が魅力のベッドルーム・ポップ。The Caretaker的な経年劣化演出の施されたサウンドはノスタルジーを強く喚起する。Lo-fi Hip Hopも彷彿とさせる軽やかに揺れるグルー…

Radiohead『A Moon Shaped Pool』(XL)

イギリスのロックバンドによる5年ぶり5th。堂々とした華々しい「Burn the Witch」で幕を開けるも、それ以降は豊かながらも繊細な表現が続いていく。とても細かなアレンジがされており、聴けば聴くほど、(聴き手が)集中すればするほどに作品は味わいを増し…

Oren Ambarchi『Hubris』(Editions Mego)

オーストラリアのミュージシャン/コンポーザーによる2016年作。陶酔的、かつ破壊的なSteve Reich直系のミニマル・ミュージック。タイトルと同名の曲が3パートに分けられて収録されており、Part1はミュートしたギターが中心の点描的ミニマル。Part2はギターの…

LSDXOXO『Fuck Marry Kill』(GHE20G0TH1K)

ブルックリンで活動するDJ/プロデューサーによるミックステープ。ボルチモア・ブレイクやジャージー・クラブといったジャンルの系譜にある、猥雑で危険な雰囲気のあるサンプリング主体のダンス・ミュージック。多少ラフだがジューク/フットワークなどと同じ…

Lawrence『Yoyogi Park』(Mule Musiq)

ハンブルクのプロデューサーPeter Kerstenによる2016年作。控えめで透明感のあるハウス。主張の小さい、慎ましやかなサウンドで、雑味のない透き通った音色からは雪の結晶のようなものを連想する。無機的というかクールな感覚がありチルアウトにもってこい。…

Kyle Hall『From Joy』(Wild Oats)

デトロイトのDJ/プロデューサーによる2nd。アーティストが18~19歳の頃に作成されたトラックを改めて録音した作品で、当時住んでいた父親の家の立地していた通り(Joy Road)から名前が取られている。フレッシュな感性を覗かせるメロウなハウスで、音楽一家…

Frank Ocean『Blonde』(Boys Don't Cry)

アメリカのSSWによる二枚目のスタジオアルバム(blondとも表記される)。内省的なR&B。繊細な表現が多く、作品・楽曲を掴むのにある程度の聴き込みが必要という点で『Pet Sounds』などとも比較される(自分自身、心の底から気に入るまで一年以上かかった)。…

Fp-Oner『6』(Mule Musiq)

ニューヨークのDJ/プロデューサーFred PeterkinのFp-Oner名義の作品。柔らかさのあるアンビエント寄りのディープ・ハウス。内省的・神秘的なムード、聴き手を包み込むようなサウンドと、ディープ・ハウスのイメージ通りの作品。実験的なところの少ない、とて…

Foodman『Ez Minzoku』(Orange Milk)

日本のプロデューサーによる2016年作。ジューク/フットワークの細かなにリズムに乗って奇妙でコミカルな音が打ち鳴らされる、エクスペリメンタルなポップ。すき間を意識した自由自在で予測不可能な楽曲は適度な緊張感があり、耳が引き寄せられる。ヘンテコな…

DJ Metatron『2 the Sky』(Giegling)

ドイツのDJ/プロデューサーが2016年に発表したEP。ジャケットの十字架が象徴するように敬虔でスピリチュアルなディープ・ハウス。主要な楽曲は2つあり、「2 The Sky(Metatron's What If There's No End And No Beginning Mix)」は祝祭的な空気でゆっくりと高…

David Bowie『Blackstar』(Columbia)

イギリスのミュージシャン/SSWの遺作となった28枚目のアルバム。グラマラスでヒロイックなソングライティングは70年代に発表された名作群を思わせる(「★」は現代版の「The Width Of A Circle」なのでは、とか)。Maria Schneider率いるジャズ・バンドのメン…

Cass McCombs『Mangy Love』(Anti-)

アメリカのミュージシャン/SSWによる8thアルバム。ジャケットのイメージ通りの重苦しさと底の見えないメロウな感覚が同居した作品。サウンドはこもったような響きで雰囲気も暗いのだが、ソングライティングがキャリアベストと言えるほどに充実しており、特に…

Blood Orange『Freetown Sound』(Domino)

イギリス出身のSSW/プロデューサーDev HynesのBlood Orange名義による3rd。柔らかなエフェクト処理の施された洗練されたR&Bで、例えるならば現代のベッドルームで作られたPrince『Dirty Mind』といった趣。サウンドはシンプルで実験的なところはなく、充実し…

ayU tokiO『新たなる解』(AWDR/LR2)

日本のSSW猪爪東風(イノツメアユ)によるソロ・プロジェクトの1st。全編豊かなメロディーに溢れる王道のポップス。常に歌=メロディーが中心にあり、楽曲を先導していく。そのため、例えばブルースを聴くときのような、コードとグルーヴに頼った聴き方は合わ…

András Presents... H.O.D.『House Of Dad』(House Of Dad)

メルボルン出身のプロデューサーAndrew Wilsonによる2016年作。「父の家」というタイトル通り、アーティストの父(配管工らしい)の家にまつわるファニーな具体音をフィーチャーしたハウス/アンビエント。ドアを開閉するときのキィー…という音やトイレの排水音…

A Tribe Called Quest『We got it from Here... Thank You 4 Your service』(Epic)

アメリカの伝説的ヒップホップ・グループによる、18年ぶりの新作。これだけ間が空いたにもかかわらず過去作との音楽的連続性が保たれているのがすごい(意味がわからない)。ブランクを感じさせない、まさにA Tribe Called Questのサウンドである。ドープす…

A Made Up Sound『A Made Up Sound』(A Made Up Sound)

"2562"としてベース・ミュージックも作っているオランダ人プロデューサーDave HuismansがA Made Up Sound名義で2009~2016年にかけて発表した楽曲をまとめたコンピレーション。(強いて言うならテクノになるのだろうが)特定のスタイルに捉われないダンス・…