森は生きている『グッド・ナイト』(P-Vine)

 日本のバンドによる2nd。はっぴいえんどやThe Bandから影響を受けたアーシーなロックをソフトなサウンドで展開した傑作1stに続く作品は、より複雑な楽曲をより骨太なサウンドで奏でる非常に濃い作品となった。あえてラフさを残したサウンドハード・ロック的なダイナミクスを獲得している。リーダーの岡田拓郎がこだわった録音・ミックスは、例えばGrizzly Bearの作品のようなマジカルな響きをアルバムに加えている。組曲形式の「煙夜の夢」は尺がなんと約17分にも及び…これだけ豊かなサウンドの、エネルギーの込められた作品はそうそうない。今作発表の約一年後にバンドは解散している。