Destroyer『Destroyer's Rubies』(Merge)

Dan Bejarを中心とするカナダのバンドの7作目。ドラマティックでスケールの大きなロック。熱狂的なクレッシェンドと、思わず一緒に歌いたくなってしまう印象的なリフレインが聴き手を捕えて離さない。情熱的な楽曲の構造は当然演奏者にも影響し、楽曲は彼らの気が済むまで……彼らが燃え尽きるまで拡張し続ける。その様子はさながら『Highway 61 Revisited』の頃のBob Dylanのようだ。繰り返されるフレーズは強力な連帯を促し、多くを巻き込んでいく。本作がライブで演奏されたらどれほど盛り上がるのか想像もつかない。