Co La『No No』(1080p)

(プレスリリース翻訳)


 Baltimore’s Co Laは、Matt Papichのクリエイティブクロークであり、連帯感と精神病が入り乱れるクラブミュージック環境を構築している。
 2013年の『Moody Coup』の湿った下草から生まれた『No No』は、2014年の北東部の深い凍結の間に作られたトラックを集めたもの。音的にはクリアで絶縁されていない、クラッキングだ。No Noは、アメリカのニュースサイクル(f5症候群)である終わりのないサイコドラマに対するPapichの関心を反映していて、対処戦略として機能する聴覚的/演奏的ユーモアのスタイルで覆われ、それ以外は斜めの音世界の修飾だ。
 Co Laの過去の作品は、物理的な空間、デザイン、オブジェクトの印象を幅広い音楽形態に置き換えることに重点を置いていた。現在のPapichはその関心を内側に向け、地球上の生命の感覚的、感情的側面を調査している。言語は基本的なもので、くしゃみ、赤ちゃんの泣き声、アルファベット、リンゴをかじる音、笑い声、悲鳴などだ。シンプルな記号にもかかわらず、No Noには内容が刻まれている。基本的な恐怖や欲望を指し示し、スクランブルして、奇妙に感情的で異質な次元、これまでクラブ音楽にはなかった行為を生み出しているのだ。
 クラブカルチャーは一般的に現実世界からの逃避を提供するものであり、単純な反転がNo Noの焦点だ。ボルチモアの実験的クラブ環境(Club Undo)の中心的存在であるCo Laは、ライフルスコープを額に直接当てたり、ジップカーで仮設サウンドシステムを構築するなど、パーティを抽象化して知的な対立を引き起こす。収録された彼の音楽とパフォーマンスは、クールな体験の中にドラマを誘い、リスナーの期待をかき立てる。


たまにあるカセットのみ1080pからのリリース。メインのリリースはDaniel Lopatinの主催するSoftwareからで、本作で聴ける解像度の高いデジタルな音色はSoftwareのカラーに則するものだ。内容は小さなサンプリングベースのエクスペリメンタルなポップ。細かなリズムに乗せて細切れの奇妙なサンプリングを配置していくスタイルで、メロディーではなくリズムが楽曲を推進していく。ダンスという指向性を失ったMatmos、あるいは日本人というアイデンティティを喪失した食品まつり a.k.a foodmanのようなイメージだ。抽象的すぎたりリズムしかないような楽曲はやや辛いが、よりマクロな構造が練られた楽曲は大変に魅力的だ。