(プレスリリース翻訳)
NYのプロデューサー、Peter SegerstromことPortable Sunsetsによるストーナーハウスとレイジーなクリスタルテクノ。彼の新しいプロジェクトSurfingは、意味深長な飽和感と重厚なクラブサウンドを軸に、不条理さと狂気をはらんだヘビーなテクノを組み合わせ、とびきり生々しくカラフルな10曲が収録されている。
このセルフタイトルのリリースは、ユーロラックの機材とMaxのパッチ、そしてPeterの声で制作されたもので、ぼやけたうんちくをはらんだエレクトロニクスを背景に、もはや意味をなさないほど何度も言葉を繰り返している。ヴォーカルは、「Glass Eye」のようなゴーストハウスドリフトの上に乗っているか(ヴォーカルの繰り返しによって、奇妙な想像力とダークなコミックの物語が構築されている)、あるいは、「BBC」やメカニックで過酷な質感の「Warlock」のようにストレートなリズムの道具として機能する。パーカッションとベースラインが中心だが、時折、Tigaの偏執的で頑固なおじさんのようなメロディーが奇妙さの中に忍び寄る。
Dancemania、Thomas Brinkmann、DJ Assault、DNA、Steve Reich初期のテープ作品、Glossolalia、DJ Funk、そしてSFのバイブスなどの響きが、彼自身の風変わりなユーモアとずる賢い視点とともに周辺から鳴り響くドラムマシンの内部を、閉所恐怖症的にスローモーションで引きずり込んでいく。
ジャケットから勝手になんとなくバレアリックなサウンドなのかなと思っていたが全然違った。PlastikmanやRobert Hoodのようなミニマルでプリミティブなテクノに自身のボーカルを素材として載せたもの。ボーカルといっても歌ものではなく、特定の単語の発音をサンプリングし、変調させながら何度も繰り返していくスタイルで、作中では幻惑的な演出として機能している。武骨でストイックな印象の作品。