2015

Wywy Brix『Clear Licorice』(1080p)

Maltine Recordsを思い出すようなガチャガチャとしたジャケットが目を引くが、中身はひんやりとした質感のクラシックなIDMだ。中盤以降、ジャケットのようにフリークアウトする場面も見られるが、全体としてはWarpのA.I.シリーズなんかとも並べられるような…

Keita Sano『Holding New Cards』(1080p)

(プレスリリース翻訳) 若き日をジャズと過ごし、沖縄で陶芸を学んだ「左利き」の岡山人プロデューサー、サノケイタによる、広く奇妙な異種混交ハウス&テクノの70分超大型カセット。現在、MPC、Electribe-SX、古いMTR、そして多くのエフェクターを使って音…

Feingold『Nuff Zang』(1080p)

(プレスリリース翻訳) モントリオールのプロデューサーでTemple Records所属のAdam Feingoldが、Apronからのキラー12インチに続き、『Nuff Zang』で新たな感情とテクスチャーゾーンに踏み込んできた。ダブやアンビエントの要素を取り入れ、禅へのカジュア…

Surfing『Surfing』(1080p)

(プレスリリース翻訳) NYのプロデューサー、Peter SegerstromことPortable Sunsetsによるストーナーハウスとレイジーなクリスタルテクノ。彼の新しいプロジェクトSurfingは、意味深長な飽和感と重厚なクラブサウンドを軸に、不条理さと狂気をはらんだヘビ…

Saffron『Petra I / Petra II』(1080p)

(プレスリリース翻訳) ニューヨークを拠点とするプロデューサーでテクスチャ・コレクターのSaffron(旧名Spirit Guide)は、この名義でのデビュー作となるダブルカセット『Petra I』『Petra II』で、鮮明で洗練されたハウスを通して鮮やかな背景と深いカフ…

Junior Loves, Scientific Dreamz Of U『The Dreamcode』(1080p)

(プレスリリース翻訳) 気心の知れたJunior LovesとScientific Dreamz of Uが、情熱と優しさ、そして2つのマインドの穏やかな合流によって構成されたビジョンとエネルギーの祖先の記憶「kestrel sound」への神聖なる通路を提供する。 このスプリットカセッ…

Project Pablo『I Want To Believe』(1080p)

(プレスリリース翻訳) バンクーバー出身のプロデューサー、Patrick Holland aka Project Pabloのハウスミュージックは、この秋にモントリオールに移住して初めてリリースされたデビューフルレングスで、爽やかで、ベーシックに回帰したものとなっている。 …

Friendly Chemist『Touch Of Jupiter』(1080p)

(プレスリリース翻訳) バンクーバーのアフターアワーズクラブシーンで最近注目されているFriendly Chemist aka Jean Brazeauによる、生々しく魅惑的で重厚なメロディックハードウェアダンス。彼のデビュー作『Touch of Jupiter』は、パシフィック・ノース…

MCFERRDOG『Lawd Forgive Me』(1080p)

(プレスリリース翻訳) NYのボサノバ(Bossa Nova Civic Club)の常連でチャイナタウンの住人であるMax McFerrenが、彼独特のユーフォリアとハイブリッドテクノで1080pに帰ってきた『Lawd Forgive Me』。 MCFERRDOGは、子供のような喜び、シンセサイザー、…

Neu Balance『Rubber Sole』(1080p)

(プレスリリース翻訳) バンクーバーのスタジオヘッド、Neu Balanceは、太平洋岸北西部の空気を深く吸い込み、合成的で遊び心のある、ねじれたホリスティックなハイブリッドハウスとアンビエントエレクトロニカのデビュー作を吐き出す。 『Rubber Sole』は…

本日休演『けむをまけ』(ミロクレコーズ)

京都の(当時?)現役大学生によるバンドの2nd。『風街ろまん』の牧歌的なロック/フォークを下敷きに非常に雑多…というとアレだが多彩な音楽を取り入れた作品。結果的に細野晴臣のソロ初期作にあったような無国籍感というか(似非?)エキゾチシズムのような…

井手健介と母船『井手健介と母船』(P-Vine)

吉祥寺の映画館バウスシアターで働く傍らで音楽活動を続けていた井手健介率いるバンドのデビュー作。ボサノヴァとフォークを混ぜたような軽やかで穏やかなサウンドを羅針盤~山本精一に通じる優しい響きの「うた」でまとめあげる。『ゆらゆら帝国のめまい』…

Tame Impala『Currents』(Universal Music)

オーストラリア出身のバンドによる3rd。中期ビートルズを彷彿とさせるポップなサイケデリック・ロックを、空間を塗りつぶすようなマッシブなサウンドでスケール大きく展開する…という基本路線は変わらないが、今作ではサウンドの中心がギターからシンセに代…

Sufjan Stevens『Carrie & Lowell』(Asthmatic Kitty)

ミシガン州出身のSSWによる2015年作。母の死を契機に制作された作品で、タイトルはその母と実質的な育ての親である継父の名前から採られている。ギターとピアノによる弾き語りに繊細な電子音が散りばめられた、内省的なフォーク。ボーカルはいつになくか細い…

Rodrigo Carazo『Oír e ir』(INDEPENDIENT)

アルゼンチンのコルドバを拠点に活動するSSWの2nd。清涼感のあるサウンドと滑らかに、かつ自在に展開する楽曲が特徴のフォルクローレ…というかトラディショナルなフォーク。ブラジル音楽に通じるような豊かなリズム感と、独特な美しさのあるコード感覚・歌心…

Pulse Emitter『DIGITAL RAINFOREST』(Beer On The Rug)

ポートランドのベテラン・シンセサイザー・アーティストによる2015年作。冒頭の中華な旋律に少し驚かされるが中身はシンセの純粋な響きがこだまするスピリチュアル?なヒーリング・ミュージック。ジャケットやタイトルが想起するような、綺麗で透き通ったサ…

Ought『Sun Coming Down』(Constellation)

モントリオールを拠点とする4人組バンドによる2nd。Talking HeadsとThe Fallをかけ合わせたような鮮烈なデビュー作に続く作品ではリリカルな空気を作り出していたキーボードが後退し、バンドのヘビーで獰猛な側面があらわになった。クールな表情を保ちつつも…

Neu Balance『Rubber Sole』(1080p)

バンクーバーのSam BeatchとSebastian Davidsonのデュオによるデビュー作。クリック/グリッチ通過後のミクロな音遣いが光るエレクトロニカ。電子音はファニーで可愛らしく、純粋に「音」として魅力的。ラフなボイス・サンプルや繊細なフィールド・レコーディ…

Maxo『Chordslayer』(NHX)

ブルックリンを拠点に活動するプロデューサーの2015年作。2013年の『LEVEL MUSIC PURCHASE』発表後も「LEVEL MUSIC」で引き続きチップチューン・サウンドを作りつつ、同時によりリズムとコードにフォーカスしたポップの追究も行っていた。2014年にPC Musicか…

LNRDCROY『Much Less Normal』(1080p)

カナダはバンクーバーのプロデューサーによるデビュー作。ベッドルーム的な暖かで柔らかなサウンドでユーフォリックな空気を醸し出すハウス。クラシックなアンビエント・テクノをチルウェイブ通過後の瑞々しい感性で再構築したようなサウンドは(カナダで?…

Kendrick Lamar『To Pimp a Butterfly』(Top Dawg Entertainment・Interscope)

アメリカのコンプトン出身のラッパーの3rd。全16曲・約80分に及ぶ大作で、一流のミュージシャン・プロデューサー陣によって隅々まで完璧に作り込まれている。多面的で巨大な作品で、ブラック・ミュージック総覧的な趣があるが、リリックも含め自分には解き明…

Jim O'Rourke『Simple Songs』(Drag City)

アメリカのミュージシャン/プロデューサーによる、歌もののアルバムとしては3枚目の作品。タイトルとは裏腹にほぼプログレなソングライティングに複雑で豪華なアレンジが施された重厚な作品。かつてない強い感情が籠められており、それは本人の執るボーカル…

Home Blitz『Foremost & Fair』(Richie Records)

アメリカはニュージャージーで活動するバンドの2nd。フォークからプログレまで、広範なジャンルのサウンドを短い時間にギュッと詰め込んだパワー・ポップ。冒頭の「Seven Thirty」~「I'm That Key」の流れに顕著だが高速でめまぐるしく展開する楽曲が聴き手…

Graham Kartna『Ideation Deluxe』(Beer On The Rug)

カナダはハミルトンを拠点に活動するマルチメディア・アーティストによる2015年作。音程の外れたシンセがノスタルジーを刺激する、カンタベリー・ロック的にこんがらがったポップ。ネガティブとポジティブを自在に行き来するコード先行の楽曲は複雑だが深い…

Euglossine『COMPLEX PLAYGROUND』(Beer On The Rug)

アメリカのGainesvilleを拠点に活動をする作曲家/マルチプレイヤーであり、レーベル「Squiggle Dot」も運営するTristan Whitehillの2015年作。ゲーム音楽やニューエイジに連なるキラキラした音色で演奏される浮遊感のあるフュージョン。アーティストによるPa…

eagle shadow『B​-​Side​-​Jams and OLd Tracks: Vol​.​1』(self-released)

イギリスのアーティストによる初期の作品。打ち込みのシンプルなリズムにギター・キーボードによるジャムっぽいプレイが乗る。少し黒さを感じる、独特のユルいグルーヴと、90年代のIDMを彷彿とさせるキーボードの柔らかい音色が特徴。現代的なベッドルームで…

Domenique Dumont『Comme Ça』(Antinote)

正体が謎とされてきたアーティスト(Arturs LiepinsとAnete Stuceによるラトビアのデュオという噂がある)によるデビュー作。チープで暖かな音色がノスタルジーを醸し出す、キュートなシンセ・ポップ。楽曲にはエキゾチックでトロピカルな雰囲気があり、聴い…

DJ Sotofett『Drippin' For A Tripp』(Tripp-A-Dubb-Mix)』(Honest Jon's)

Sex Tags Maniaを中心に様々なレーベルから多彩な作品をリリースしてきたノルウェー出身のプロデューサー/DJによる1st。6人ものゲストとコラボレーションし、複数のスタジオを巡って制作された作品。レゲエとハウスの中間のような開放的で爽やかなフィーリン…

DJ Metatron『This Is Not』(Giegling)

Prince Of Denmark、Traumprinzなど様々な名義を使い分けるドイツ人?アーティストが自身の所属していたレーベルに提供したミックス作品。どこか敬虔な印象のあるアンビエント/ディープ・ハウス。オープニングの慎ましやかなビルド・アップが象徴するように…

Courtney Barnett『Sometimes I Sit and Think, and Sometimes I Just Sit』(Milk! Records)

オーストラリア出身のSSWのデビュー作。早口のお喋りのようなボーカルが身近な日常を独自の視点から描写する、ややヘロヘロでゴキゲンなギター・ポップ。同郷であるThe DronesのDan Luscombeが弾くギターはちょいサイケ・ローファイでコートニーのボーカルス…